当院の特色

CAT療法

第4の抗ガン療法

 免疫療法とは、第4の抗ガン療法の一つとされる、自己の細胞を用いる治療法です。

 主な抗ガン療法には、大きく分けると3つあります。手術で切り取る外科手術、抗がん剤投与、放射線です。ガンと診断されたら、ガンの種類によって適切な治療法を選択するべきです。しかし、高齢などで麻酔がかけられない、副作用が心配で抗がん剤を使いたくない、痛いことはしたくない、頻繁に通院できない、どの方法も無理と言われた。そんな場合に、第4の抗がん療法といわれるものがあります。それが、免疫療法です。その中でも代表的なものが、活性化リンパ球療法です。

活性化リンパ球療法

 活性化リンパ球療法とは、自分自身の体から採取した血液からリンパ球だけを分離、培養、刺激することで活発に働くようにさせ、再び体に戻す治療法です。リンパ球は血液の中を流れている細胞で、がんをやっつける働きがあると言われています。ただ、ガンも元は自分の細胞なので、普通の状態ではリンパ球でがんを小さくしたり、大きくなるのを抑えたりすることはできません。そこで、そのリンパ球を活発にして、少しでもガンと闘わせようというのが、『活性化リンパ球療法』です。自分の細胞を使うため、副作用がないのが最大の魅力です。しかし、効果がはっきりとはわかっていないのも現実です。ただ、理論では効果があるはずなので、今後少しずつ有効性が明らかにされていくでしょう。繰り返しになりますが、がんと診断されたら、まずは有効だとされる治療法を行うのが重要です。しかし、上記のような理由でそれが出来ない場合、もしくは、手術や抗がん剤、放射線に加えてさらに可能性のある治療法をしたいと考えている場合には、ぜひこの活性化リンパ球療法を考えてみてはいかがでしょうか。

活性化リンパ球療法の方法
  1. まず、血液を12ml採取します。小型犬でも体に負担のない量です。
  2. 次に、手順に従い採取した血液からリンパ球を取り出し、活性化・培養を行い、2週間後に回収します。
  3. それを点滴で体に戻します。つまり、1回の治療の期間は2週間です。
  4. また、細胞の取り扱いは、クリーンベンチと呼ばれる細胞を扱う専用の場所で、獣医師の監督のもと、専門のスタッフが行っています。

活性化リンパ球療法

脂肪幹細胞療法

脂肪幹細胞療法とは

 動物の体には、さまざまな器官や臓器などに変化することのできる細胞が存在します。この細胞を幹細胞といいます。脂肪幹細胞は、様々な細胞に変化することができるので損傷部位を補ったり、組織の修復を促す物質を出すことで治癒能力を向上させたり、炎症を起こした部位に集まって炎症を鎮めたりという性質があります。脂肪幹細胞療法とは、皮下脂肪から採取した脂肪幹細胞を投与することで、失われた臓器や怪我の再生を行う治療法です。

対象疾患(学会や症例報告等で効果が期待されているもの)
  • 手術を行ったが、治りにくい骨折
  • 椎間板ヘルニア
  • 変性性脊髄症
  • 脊髄損傷自己免疫性疾患(多発性関節炎など)
  • アトピー性皮膚炎
脂肪幹細胞療法の方法

脂肪幹細胞の副作用

ごくまれに拒絶反応によるショックが現れる可能性があります。

脂肪幹細胞の費用

●1回の投与で約5万円です。
●投与回数に関しては、疾患・状態により異なります。

症例紹介

CAT療法

 
 犬  種 : ビーグル
 年  齢 : 10歳
 性  別 : 雄
 体  重 : 8kg (標準体格)

 健康診断の時に、お腹の触診で、固い腫瘤がみつかりました。そこで、検査を行ったところ、脾臓に腫瘤が形成されている事が、わかりました。  この時点で、元気、食欲旺盛で症状はありませんでした。
 

 

  1. 検 査
    検査を行ったところ、脾臓に腫瘤が形成されている事が、わかりました。
  2. 診 断
    麻酔をかけて、開腹手術を行い、脾臓を摘出しました。病理検査の結果、「脾臓の起源不明の肉腫」と診断されました。

    脾臓の起源不明の肉腫とは・・・
     脾臓に出来る悪性の腫瘍です。 診断された場合には、約半数がカ月で亡くなると言われます。 また、病理診断で3段階にグレード分けされ、グレード3(最も悪性)であれば、7割が1年以内に亡くなると言われています。 抗癌剤など効果的な治療が確立されていません。

    そこで、CAT療法を行うことにしました。
  3. 治 療

    CAT療法
     ●血液を約12ml採取し、2週間培養する。
     ●2週間後に、培養したリンパ球を血管から体に戻す。
      以上の治療を、2週間ごと、月2回行う。

     CAT療法治療中、副作用はみられず、元気に食欲も旺盛でした。 定期的に、転移がみられてこないか、チェックしていましたが、途中で肝臓への転移が見つかり、最終的には、肺と腎臓への転移も起こりました。 最初に診察を行ってから、572日(約1年半)で亡くなりました。

  4. まとめ
     ●いろいろな報告に比べても、有効な効果がみられた。
     ●副作用はなかった。
     ●元気で、食欲旺盛な期間が長かった。

     このCAT療法は、必ず全ての腫瘍に有効ということではありませんが、 あくまで1例でありますが、CAT療法が持つ利点が示されました。 もちろんこれ以外でも、有効な治療例はあります。 今後も、紹介していく予定です。

再生医療チーム

活動紹介

 当院では抗腫瘍効果を持つとされる、免疫療法の一つであるCAT療法を行うことができます。自分自身のリンパ球を培養して、自分に戻す治療法なので、安全性が高いと言われる治療法です。癌に対しての治療法は、基本的に手術または抗がん剤が主となりますが、CAT療法はそれらと併用もしくは単独で行う事ができます。手術が出来ない、抗がん剤が効かない癌に対しても行う事ができます。しかし、まだまだ分からないことも多い治療法であることも事実です。CATチームでは他の病院での治療実績なども参考にして、より効果的なCAT療法を提供できるように、日々精進しています。
興味のある方は、お問い合わせください。

CAT療法の実績

2012〜2014年の3年間(疾病別)

担当者紹介

獣医師 村島 生祐、弓場 安紀子