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2021.04.21

門脈体循環シャント(PSS)の診断にはCT検査

門脈体循環シャント(PSS)

門脈体循環シャントとは

門脈体循環シャント(もんみゃくたいじゅんかんシャント、英:portosystemic shunt;PSS)とは門脈系と全身性静脈系との間に短絡血管が生じ、異常な交通路が形成された状態。門脈体循環シャントにより腸管脾臓からの静脈血肝臓を経由せず直接体循環に流入するため、必要な栄養素が肝臓に供給されないあるいは肝臓による代謝が行われないため、種々の臨床症状を呈する。

Wikipediaでは、このように説明されています。

簡単に言うと、

異常な血管があることで、肝臓に入る血液が減ってしまう病気です。

つまり、この異常な血管の存在が、

門脈体循環シャントの診断に必要なのです。

症状とは

この病気では、

異常な血管のできている場所や、太さ、長さ、本数がさまざまです。

いろんな病態があることから、症状もさまざまです。

  • 食が細い
  • 弱弱しい
  • やせている
  • よく/たまに吐く
  • 腎臓や膀胱に結石がある
  • 異常な行動をする
  • けいれん
  • 腹水がある    等々
このような症状が、特に生まれつき・若い時から
あるようなら、疑ってみてもいいでしょう。

検査・診断は

上記のような症状があっても、

必ず門脈体循環シャントというわけではありません。

門脈体循環シャントを疑う場合、

必ず検査を行い、診断につなげていく必要があります。

まず最初に行うのは、血液検査でしょう。

特に、総胆汁酸(TBA)という項目では、食前・食後を測る方法があります。

門脈体循環シャントでは、特徴的な症状がないワンちゃん、ネコちゃんもいます。

そこで、私たちの病院では、避妊手術や去勢手術の際に、

総胆汁酸(TBA)を術前検査項目に取り入れています。

総胆汁酸

このように、偶発的に総胆汁酸の異常を見つけることがあるのです。

確定診断を行うには

異常な血管の存在を明らかにすることです。

超音波検査でも、見つけられることはありますが、

CT検査で調べる方が見落としはないでしょう。

手術を考える上でも、CT検査を行い、

3D処理などを行って、血管の位置を把握する方が良いと言えます。

CT検査

ここで、実際の門脈体循環シャントのワンちゃんのCT画像をみてみましょう。

PSS 門脈 前

これは、ワンちゃんの仰向けのCT画像です。

白い管状に見えるのが、門脈という血管で、

赤矢印で示したところが「異常な血管」です。

PSS 門脈 前 ペイント

下側から上側に向かって、門脈の中の血液は流れています。

オレンジの矢印の流れが、肝臓に向かう血液の流れです。

途中で血管が分岐して、青の矢印の流れができてしまっているのです。

ちなみに、手術を行うなら、

この青の流れを作っている異常な血管を遮断する方法が一般的です。

PSS 門脈 後

これは、手術後のCT画像です。

上の画像と比べると赤の矢印のところで、

血液の流れが止まっているのが分かると思います。

このように、門脈体循環
シャントの診断には、

CT検査は必須であると言えるでしょう。