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2023.05.15

犬の前庭疾患の症状と原因、治療について|京都市西京区のダクタリ動物病院京都医療センター

京都市西京区、右京区、南区、中京区、向日市、長岡京市、亀岡市 の皆さんこんにちは。
ダクタリ動物病院京都医療センターの院長森です。
今回は、犬の前庭疾患の症状と原因、治療について解説させていただきます。

こんなお悩みはありませんか?

・顔が傾いている
・目が揺れている
・元気や食欲がない
・嘔吐
・立てない、歩けない
・転がってしまう

このような場合、「前庭疾患」の可能性があります。

 

前庭疾患(ぜんていしっかん)とは

前庭疾患とは、平衡感覚をつかさどる「前庭」と呼ばれるところに異常が起こり、様々な神経症状が起こります。老齢犬で起こる印象が強いですが、中耳炎や外傷、脳炎や脳腫瘍などでも起こります。症状で最も多いものは、「目が揺れる」です。顔が動いていないのに、目が左右や上下に行ったり来たりします。また、顔が傾いたままになり、重度であると傾きすぎて転んだり、くるくる回転することもあります。いわゆる「酔った」ような感覚になり、吐いたり、食欲がなくなったりすることもあります。

前庭疾患が起こる原因

外耳炎や中耳炎の悪化、脳の問題(炎症や腫瘍、梗塞)、顔をぶつけるなどの外傷、薬物による中毒、甲状腺ホルモンの異常など、いろいろな原因があります。ただ、特発性と言って原因が不明であることも少なくありません。

前庭疾患を適切に治療するためのポイント

前庭疾患を適切に治療するためのポイントは以下の3点です。

① 正しく前庭疾患の診断ができるか

嘔吐が主訴で病院に来た犬の目が揺れているのを見落としてしまう。診察では、視診と言って目で見ることがいつでも診察の第1歩であり、すぐに検査、検査ではいけません。前庭疾患は、目が揺れていたり、顔が傾いていたりとしっかり視診を行うことができれば、気づけることがほとんどでしょう。まずは、視診が大切です。

② 正しく前庭疾患の原因を考えることができるか

前庭疾患の場合、特発性は除いて原因が存在します。耳の炎症を調べるために耳の検査をしましょう。耳の状態によってはCT検査が必要な場合もあります。中毒や全身状態を調べるために血液検査、甲状腺の機能を調べるためにホルモンの測定、脳の問題を調べるためにMRI検査など、どこまで検査するのか相談しながら決めていきましょう。

③治療の選択肢を提示できるか

前庭疾患の場合、原因によって治療できるものとできないもの、特発性ではそもそも治療法が難しいものなど様々です。原因は別として、症状を緩和する対症療法を行う場面もあります。また、治療するしないにかかわらず、自然に症状が消えてしまう場合もあります。

ダクタリ動物病院 京都医療センターでの前庭疾患治療について

前庭疾患の場合、原因追求を念頭に診察を行いますが、犬が高齢であることも多く、検査のための全身麻酔をどのように考えるかであえて原因の特定を行わないこともあります。前庭疾患の症状の程度によっては、治ることはないにしても、その症状を受け入れて、慣れてしまうケースもあります。それぞれの犬の年齢、状態、症状、基礎疾患等に考慮して、診察を進めて行きます。