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2023.03.14

犬の尿毒症の症状と原因、治療について|京都市西京区のダクタリ動物病院京都医療センター

京都市西京区、右京区、南区、中京区、向日市、長岡京市、亀岡市 の皆さんこんにちは。
ダクタリ動物病院京都医療センターの院長森です。
今回は、 犬の尿毒症の症状と原因、治療について解説させていただきます。

こんなお悩みはありませんか?

・食欲がない
・尿が出ない
・元気がない
・脱水している
・吐く
・痙攣している
・下痢、血便をしている
・口臭がきつい
・痩せた
・毛がぱさつく
・四肢が浮腫む
・体が冷たい

このような場合、「尿毒症」の可能性があります。

尿毒症(にょうどくしょう)とは

腎臓は体内の老廃物を濾過して尿として体外に排泄している臓器で、水分や電解質の調節・赤血球を作るホルモンの産生などの働きを担っています。尿毒症とは、急性もしくは慢性腎不全の末期になり腎機能が著しく下がってしまった状態を指します。急性腎不全からの尿毒症は、早期に集中治療を開始できれば腎機能が回復する可能性がありますが、残念ながら腎機能が回復しきれなかった場合や、慢性腎不全による尿毒症の場合は多臓器不全となり、経過はかなり厳しいものとなります。

尿毒症が起きる原因

急性腎不全

・腎前性:脱水や心不全、ショックなどが原因で腎臓に送り込まれる血液の循環が悪くなった。

・腎性:感染症や中毒、薬剤、免疫異常、腫瘍などが原因で腎臓そのものにダメージを受けた。

・腎後性:尿路(=腎臓で作られた尿が体外に出るまでの通り道。腎臓→尿管→膀胱→尿道→体外)のどこかが閉塞したりして尿を排泄できなくなった。

慢性腎不全

・食生活

・加齢

・免疫の異常

・糖尿病や急性腎不全など、他の疾患による腎障害

・遺伝

・腫瘍

・歯周病

尿毒症を適切に治療するためのポイント

尿毒症を適切に治療するためのポイントは以下の3点です。

① 正しく尿毒症の診断ができるか

尿毒症を疑う場合、まず血液検査や尿検査、レントゲン検査や超音波検査などの画像検査で原因を調べます。とくに急性腎不全が原因と考えられる場合は、中毒の可能性はないか、腎臓に負担のかかる薬を飲んでいないかも確認する必要があります。ワクチン歴や行動範囲からレプトスピラ症を疑う場合にはPCR検査や抗体価検査、その他の感染症を疑う場合は尿培養検査も必要です。

② 尿毒症の治療において豊富な経験を持っているか

尿毒症と診断された場合は、原因によって治療法が異なる部分もありますが、基本となるのは適切な点滴です。もし尿量が極端に少なくなれば利尿剤や透析も必要です。腎後性の急性腎不全が原因の場合には、尿路閉塞の解除や損傷部位の修復のためCT検査や手術が必要な場合もあります。いずれも入院や精密検査を要するため、治療の実績や経験が重要です。

③ 適切な治療への移行

病院によって対応できる範囲が限られることもありますが、その場合でも、適切な病院へ紹介してもらえるかが大切です。

ダクタリ動物病院京都医療センターでの尿毒症治療について

尿毒症の治療の基本である点滴を適切に行うには、尿量や水和状態 、血圧や体重を1日に何度かチェックし、状況に応じて過不足なく点滴の量や種類を変えなくてはなりません。そのため、当院では1~数時間毎のモニタリングを行っています。急性腎不全からの尿毒症であれば、その原因によってはCT検査を実施したり、手術の種類によっては二次病院をご紹介させていただいたりすることがあります。慢性腎不全による尿毒症の場合は、完治させる方法がないため、残っている腎機能をいかに長持ちさせ進行を遅らせるかが大切です。その場合は、その子の症状やステージに合わせて治療を開始します。高齢の子であれば心疾患や膵炎、歯周病などを併発しているケースも多いので、極力腎臓に負担をかけない治療法に切り替えながら、少しでも尿毒症の進行を遅らせることができるように様々な角度から対策をとっていきます。
尿毒症が疑わしい場合は、まず診察に来てご相談ください。