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2023.05.15

犬の慢性腎不全の症状と原因、治療について|京都市西京区のダクタリ動物病院京都医療センター

京都市西京区、右京区、南区、中京区、向日市、長岡京市、亀岡市 の皆さんこんにちは。
ダクタリ動物病院京都医療センターの院長森です。
今回は、犬の慢性腎不全の症状と原因、治療について解説させていただきます。

こんなお悩みはありませんか?

・食欲がない

・水をよく飲む、尿の量が多い

・尿が出ない

・元気がない、ぐったりしている

・脱水している

・吐く

・痙攣している

・下痢をしている

・口臭がきつい

・痩せた

 

このような場合、「慢性腎不全」の可能性があります。

 

慢性腎不全(まんせいじんふぜん)とは

腎臓は体内の老廃物を濾過して、尿として体外に排泄している臓器です。慢性腎不全とは、その腎臓の機能と構造の異常が徐々に低下していくことで起こります。進行はゆっくりですが、症状が出始めたときにはすでに腎臓の機能が2/3ほど失われており、気づいたときにはかなり進行していることが多い病気です。腎臓の組織は一度壊れると元に戻ることはなく、慢性腎臓病は完治させることができません。症状は様々ですが、初期では尿の量が増え、よく水を飲むようになります。進行すると脱水し、痩せて毛艶がなくなってきます。さらに進行すると尿毒症となり、消化器系、免疫系、循環器系、神経系、筋骨格系、内分泌系など身体中に影響が及び、食欲がなくなり吐き気や痙攣などの様々な症状が出て、最終的には命を落とすことになります。

 

慢性腎不全が起きる原因

食生活

塩分やタンパク質が過剰な食事に偏っていると腎臓に負担がかかります。

 

加齢

免疫の異常

他の疾患による腎障害

糖尿病や急性腎不全などから慢性腎不全に移行することがあります

遺伝

ブルテリア、キャバリア・K・C・スパニエル、ボクサーなどの犬種が挙げられます。

腫瘍

歯周病

口の中の慢性的な炎症は、腎機能を低下させる原因になると言われています

 

慢性腎不全を適切に治療するためのポイント

慢性腎不全を適切に治療するためのポイントは以下の3点です。

 

正しく慢性腎不全の診断ができるか

血液検査で腎臓の数値が一度上昇していたからといって必ずしも慢性腎不全とは限りません。まず全身状態や基礎疾患などを精査し、必要な治療を行いながら定期的な血液検査や尿検査、超音波検査、レントゲン検査、血圧測定などを行い、慢性腎不全であると診断をする必要があります。

 

慢性腎不全の治療において豊富な経験を持っているか

慢性腎不全と診断された場合は、IRIS(国際獣医腎臓病研究グループ)のステージ分類を基本としながら、その子に合わせた治療を行っていきます。病態を把握し適切な治療を行っていくために、定期検診はとても大切です。状態によっては入院や精密検査を要するため、治療の実績や経験が重要です。

 

適切な治療への移行

病院によって対応できる範囲が限られることもありますが、その場合でも、適切な病院へ紹介してもらえるかが大切です。

 

ダクタリ動物病院京都医療センターでの慢性腎不全治療について

慢性腎不全は完治させる方法がないため、残っている腎機能をいかに長持ちさせ進行を遅らせるかが大切です。慢性腎不全と診断された場合は、その子の症状やステージに合わせて薬や療法食、点滴などを組み合わせて治療を開始します。心疾患や膵炎、関節疾患や歯周病などを併発しているケースも多いので、極力腎臓に負担をかけない治療法に切り替えたり、生活環境の改善を提案したり、少しでも慢性腎不全の進行を遅らせることができるように様々な角度から対策をとっていきます。

慢性腎不全が疑わしい場合は、まず診察に来てご相談ください。