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2023.04.07

猫のリンパ腫の症状と原因、治療について|京都市西京区のダクタリ動物病院京都医療センター

京都市西京区、右京区、南区、中京区、向日市、長岡京市、亀岡市 の皆さんこんにちは。
ダクタリ動物病院京都医療センターの院長森です。
今回は、猫のリンパ腫の症状と原因、治療について解説させていただきます。

こんなお悩みはありませんか?

・最近よく吐く

・下痢が続いている

・元気や食欲がない

・痩せてきた

・くしゃみをよくしている

・鼻血が出る

・目が飛び出てきた

・食べたものを飲み込みにくそうにしている

 

このような場合、「リンパ腫」の可能性があります。

 

リンパ腫とは

血液中に、血球細胞が流れています。血球細胞には、赤血球や白血球があり、その白血球の中にリンパ球があります。そのリンパ球が腫瘍化して過剰に増殖した状態になると、リンパ腫になります。いわゆる血液ガンの状態です。リンパ球は体のいたるところに存在し、リンパ球の基地ともいえるリンパ節も体のいたるところに存在します。体のどの場所で、腫瘍化したリンパ球が増殖し、リンパ節が腫れるかで症状が異なります。お腹の中で増殖すると、消化器型と言って嘔吐や下痢を起こします。鼻で増殖するとくしゃみや鼻血、顔の変形がみられ、胸や脳に異常を引き起こすタイプもあります。リンパ腫になると、早ければ数ヶ月で命を落とすこともあり、治療は抗がん剤が中心となります。

 

リンパ腫が起こる原因

リンパ腫に限らず、腫瘍になる原因は解明されていません。遺伝的要因が関係しているのでしょうか。タバコやアレルゲンなどの環境的要因が関係しているかもしれません。ただ、猫では白血病ウイルスの感染が関連していることが示唆されています。

 

リンパ腫を適切に治療するためのポイント

リンパ腫を適切に治療するためのポイントは以下の3点です。

 

①正しくリンパ腫の診断ができるか

猫のリンパ腫は、胃腸などの消化器系に障害を引き起こすもの、鼻に障害を引き起こすもの、腎臓に障害を引き起こすもの等、いろいろな場所に見られることがあります。下痢、嘔吐、くしゃみなどが見られ、すぐに完治する場合ではなく、なかなか治らない場合や基本的な治療に反応しない場合には、リンパ腫が隠れている可能性を念頭に置いて診察に臨むべきでしょう。診断のためには、注射針を刺す針生検、CT検査や開腹手術が必要な場合があります。十分に現状を把握し、何が必要かを考えましょう。

 

②リンパ腫に関する情報を正確に伝えられるか

リンパ腫は基本的に完治することはなく、最終的には命を奪ってしまう疾患です。治らない病気であることを理解してもらったうえで、病気にどのように立ち向かっていくかを一緒に考えていく必要があります。診断のための手順やリスク、治療の効果や副作用、予後、今後予想される症状などを説明し、理解した上で、検査や治療を選択していきましょう。

 

③治療の選択肢を提示できるか

リンパ腫の治療は、多くは抗がん剤が主体となります。鼻で起こるリンパ腫には放射線療法も選択肢に挙がります。抗がん剤にもいくつかの種類があり、そのいくつかを組み合わせて治療を行います。その組み合わせによって、治療効果や副作用が異なります。それでも完治は難しいため、治療の効果をしっかりと伝えることが必須となります。治療の効果に誤解のないように説明し、治療を考えていただく必要があります。

 

ダクタリ動物病院 京都医療センターでのリンパ腫治療について

リンパ腫の場合、できるだけ早期に診断を行うことが重要です。胃腸や鼻、胸にリンパ腫が疑われる場合には、CT検査が必須となります。必要に応じて、針生検や内視鏡検査、鼻腔穿刺も行います。骨髄検査にも対応しています。できる限り早期にそれら検査を実施できるように対応します。診断後、抗がん剤の実施に際しては、できるだけ正確な情報を時間をかけて説明します。