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2023.04.07

猫の巨大結腸症の症状と原因、治療について|京都市西京区のダクタリ動物病院京都医療センター

京都市西京区、右京区、南区、中京区、向日市、長岡京市、亀岡市 の皆さんこんにちは。
ダクタリ動物病院京都医療センターの院長森です。
今回は、猫の巨大結腸症の症状と原因、治療について解説させていただきます。

こんなお悩みはありませんか?

・排便姿勢をとる時間が長い(いきむがなかなか出ない)

・何日も便がでていない

・食欲不振や嘔吐、血便がある

 

このような場合「巨大結腸症」の可能性があります。

 

巨大結腸症(きょだいけっちょうしょう)とは

便秘が長期間続いて、結腸が異常に拡張した状態のことをいいます。

結腸は小腸で消化された食べ物から水分を吸収することで、便をつくります。結腸内に便が長期間停滞してしまうと水分の吸収が進んで硬くなり、さらに便が出にくくなって結腸が拡張します。

巨大結腸症になると、トイレに行く回数が増え、いきんでも便が出てこないなどの排便困難症状がみられます。元気消失、食欲不振に加えて、血便、下痢などを示し、時には力みすぎて嘔吐することもあります。

犬に比べて、猫に多い傾向にあります。

 

巨大結腸症になる原因

結腸の狭窄(きょうさく)

腫瘍や異物(毛玉や砂)により結腸や直腸が圧迫されると便の通り道が狭くなり、便秘にな

ってしまいます。また、交通事故などで骨盤を骨折し、変形したまま治癒した場合には骨

盤が狭くなり、同様に便秘となることがあります。

神経の異常

うまれつきの神経の異常が原因で、生後数週から発症する先天性巨大結腸症があります。

猫では先天性はまれで、ほとんどが後天性です。後天性の場合は中~高齢で発症し、脊髄

や自律神経の障害、外傷による神経損傷などが原因となります。

環境的な要因

トイレの汚れ、運動不足、ストレス(ホテルや入院)などが原因となることもあります。

その他

脱水(慢性腎臓病など)、低繊維のフード、肛門の疾患、内分泌性疾患、関節炎などの痛み、

筋力低下・加齢などが挙げられます。

 

巨大結腸症を適切に治療するためのポイント

慢性的な便秘を放っておくと、悪化するだけでなく、結腸の筋肉や神経に異常が起こり、最終的に結腸が収縮できなくなってしまうことがあります。そのため便秘の程度に関わらず早期の診断、治療が大切です。

便秘を引き起こす原因は非常に様々であるため、便秘の原因について適切な検査を行い、正しい治療を選択していく必要があります。

 

ダクタリ動物病院 京都医療センターでの治療について

問診に加えて腹部の触診を行い、レントゲン検査で結腸の幅が異常に拡張している場合は巨大結腸症を疑います。必要に応じて血液検査や超音波検査などを行い、便秘の原因がどこにあるのか探っていきます。

治療は、まずは溜まってしまった便を外に排出する必要があります。肛門から指を使って、溜まった便を取り除きます。また、慢性腎臓病や内分泌性疾患などの基礎疾患が原因で便秘が生じていると考えられる場合はそれぞれの治療を行います。便秘を繰り返す場合は、繊維質の多いフードに切り替えたり、便軟化剤の内服により便をやわらかくしたり、便が出やすい環境を維持していきます。

骨盤狭窄や腫瘍が考えられる場合には外科手術をご提案させていただくこともあります。またこれら以外でも、便秘を頻繁に繰り返し、内科治療に反応しない場合は手術を検討するケースもあります。