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2023.01.09

猫の肝リピドーシスの症状と原因、治療について|京都市西京区のダクタリ動物病院京都医療センター

京都市西京区、右京区、南区、中京区、向日市、長岡京市、亀岡市 の皆さんこんにちは。ダクタリ動物病院京都医療センターの院長森です。
今回は、 猫の肝リピドーシスの症状と原因、治療について解説させていただきます。

こんなお悩みはありませんか?

・何日間も食欲がない

・吐く

・よだれが出る

・脱水症状がある

・元気がない

 

 

このような場合「肝リピドーシス」の可能性があります。

 

肝リピドーシスとは

猫は何らかの原因で食欲不振が続くと、蓄えている脂肪からエネルギーを得ようと肝臓で脂肪が代謝されます。その状態が長期間続くと肝臓での脂肪の代謝が追いつかなくなり、やがて脂肪肝になってしまいます。この状態を肝リピドーシスと言います。様々な代謝を司る肝臓の機能が低下するため、吐き気の原因になります。また、進行すると血液中のアンモニア値が高くなることによって神経症状を呈することもあります。

 

肝リピドーシスの原因

肝リピドーシスはほとんどの場合、何らかの基礎疾患から食欲不振が続くことによる二次性肝リピドーシスと呼ばれるものです。食欲不振を起こすあらゆる病気が原因となります。肝リピドーシスを起こす原因が不明のものを特発性肝リピドーシスと呼びます。

確定診断には麻酔下によるCT検査や肝臓の組織検査などが有用ですが、肝リピドーシスの猫は既に全身状態が悪化し麻酔をかけられないことも多く、経過や血液状態から診断していくことがほとんどです。

 

肝リピドーシスを適切に治療するためのポイント

①原因となる疾患の診断、治療

先述の通り肝リピドーシスはほとんどの場合で原因となる別の基礎疾患が存在します。原因となる病気の診断、治療をすることが肝リピドーシスの治療において最も重要です。

 

②しっかりとした支持療法

肝リピドーシスになるねこちゃんは原因となる病気が悪化し、非常に状態が悪い場合が少なくありません。入院管理での静脈点滴、電解質補正、吐き気止めなど集中的な支持療法が必要です。

 

③栄養補給

肝リピドーシスのねこちゃんは悪心や嘔吐からごはんが全く食べられないことも少なくありません。しかし、肝リピドーシスを引き起こす原因は食欲不振であるためしっかりと支持療法をしたのち、早期に栄養補給をしてあげる必要があります。長期間ごはんが食べられていない状態で急にごはんを食べ始めると、電解質異常や低リン血症を引き起こす場合があります。(=リフィーディング症候群)少しずつからごはんを始め、血液検査で頻回に状態を把握する必要があります。

食欲がない子にはシリンジを用いた強制給餌を行いますが、強制給餌のストレスが大きい場合は、経鼻カテーテル、食道チューブなどを使ったチューブフィーディングが必要です。

 

ダクタリ動物病院京都医療センターでの肝リピドーシスの治療について

当院では肝リピドーシスと診断した場合、基礎疾患の精査、治療に加え、入院下での栄養管理をしっかり行います。強制給餌が大きなストレスになるねこちゃんには積極的に経鼻カテーテル、食道チューブを提案し、負担の少ない治療を目指します。もちろん入院自体がストレスとなる猫ちゃんもいますので、入院が難しい場合は通院での治療もご相談ください。