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2022.10.21

猫の膀胱結石の症状と原因、治療について|京都市西京区のダクタリ動物病院京都医療センター

京都市西京区、右京区、南区、中京区、向日市、長岡京市、亀岡市 の皆さんこんにちは。ダクタリ動物病院京都医療センターの院長森です。
今回は、猫の膀胱結石 の症状と原因、治療について解説させていただきます。

こんなお悩みはありませんか?

・血尿をしている、いつもと尿の色が違う

・尿の回数が多い、何度もトイレに行く

・トイレ以外でも尿をする

・排尿時に異様に鳴いたり陰部を舐めたりする

・尿にキラキラした砂状のものが混じる

 

このような場合、「膀胱結石」の可能性があります。

 

膀胱結石とは

膀胱結石とは、膀胱の中に出来た結石を指します。猫で多いのは、尿がアルカリ性の時にできやすいストラバイト結石や、酸性の時にできやすいシュウ酸カルシウム結石の2つです。膀胱結石が膀胱粘膜を傷つけたり、膀胱から流れ出て尿道(=膀胱から出た尿の通り道)を傷つけたり、尿道に詰まったりすると、上記のような症状が出ます。尿道に詰まり尿が全く出なくなると、1~2日で尿毒症など命にかかわる病気に発展することがあります。とくに男の子は尿道が細長く曲がっているため、女の子より詰まりやすく要注意です。

 

膀胱結石ができる原因

食生活や生活環境

過剰なタンパク質やミネラルが結石の原因になることがあります。

 

肥満や生活習慣

肥満などで運動不足になったり水を飲む量が減ったり、トイレに行く回数が減ったりすると結石ができやすくなります。

 

水を飲む量が少ない

猫は元々あまり水を飲まず濃い尿をしているので、寒い時やストレスが大きい時など少しでも飲水量が減るとさらに尿が濃くなり、結石ができやすくなります。

 

感染症

猫の尿は病原体(細菌や真菌)が増殖しにくく、感染が原因となることは稀ですが、高齢の子や腎臓病などの持病がある子は感染を起こし結石の原因になることがあります。

 

遺伝や体質、肝臓病など

稀ですがプリン尿石やキサンチン尿石、シスチン尿石などができることがあります。

 

膀胱結石を適切に治療するためのポイント

膀胱結石を適切に治療するためのポイントは以下の3点です。

 

①正しく膀胱結石の診断ができるか

膀胱結石を疑う場合、レントゲン検査で結石の形や大きさ、数などを診ます。まれにレントゲンにうつらない種類の結石もあるため、超音波検査なども必要です。尿検査も実施し、可能であれば膀胱結石の種類を推定します。

 

②膀胱結石の治療において豊富な経験を持っているか

膀胱結石は、種類によって治療法が異なります。食餌療法で溶けるものもあれば、結石を摘出する手術が必要になるものもあります。一部の結石では、血液検査やCT検査などが必要な場合もあります。そのような時は入院や精密検査を要する場合もあるため、治療の実績や経験が重要です。

 

③適切な治療への移行

病院によって対応できる範囲が限られることもありますが、その場合でも、適切な病院へ紹介してもらえるかが大切です。

 

ダクタリ動物病院京都医療センターでの膀胱結石治療について

猫に多いのはストラバイト結石とシュウ酸カルシウム結石ですが、その他にも色々な種類があります。ストラバイト結石は食餌療法で尿のPHを下げれば溶解する可能性が高いのですが、シュウ酸カルシウム結石など溶解方法が確立されておらず、手術で結石を摘出した後、再発を防ぐために食餌療法が必要になる場合もあります。プリン尿石などの稀なものでは、肝臓病などの基礎疾患の治療や検査が必要です。また、尿石用フードにはたくさんの種類がありますが、フードの選び方や実施期間など、正しく食餌療法を実施しなくては効果がないどころか健康を害してしまいます。結石には様々な要因がからんでおり、結石再発を防ぐためには、生活環境の改善などが欠かせない場合も多いため、当院では様々な提案を行います。

膀胱結石が疑わしい場合は、まず診察に来てご相談ください。