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2022.10.21

犬の血管肉腫の症状と原因、治療について|京都市西京区のダクタリ動物病院京都医療センター

京都市西京区、右京区、南区、中京区、向日市、長岡京市、亀岡市 の皆さんこんにちは。ダクタリ動物病院京都医療センターの院長森です。
今回は、犬の血管肉腫の症状と原因、治療について解説させていただきます。

こんなお悩みありませんか?

・痩せてきた

・お腹が張ってきた

・なんだかしんどそう

・呼吸が早い

・ぐったりしている

 

このような場合「血管肉腫」の可能性があります。

 

血管肉腫(けっかんにくしゅ)とは

「肉腫」とは、悪性の腫瘍のことで、いわゆる「癌(がん)」を意味します。ですので、血管肉腫とは、「血管」に発生する「がん」ということになります。血管に発生すると言っても、血管肉腫が多く発見される臓器として、肝臓、脾臓、心臓があります。逆に言うと、肝臓や脾臓に腫瘍を疑うものが見られた場合、血管肉腫を疑います。血管肉腫は、どんどん大きくなり、全身へ転移を起こしやすく、破裂して出血を引き起こし、最終的には命を落とす可能性の高い疾患です。早期発見、早期の手術による摘出が重要ですが、発見されてから数ヶ月で命を落としてしまうことも多い疾患です。

 

犬では、ゴールデン・レトリバーやラブラドール・レトリバーなどに多いとされていますが、どのような犬種でもみられます。

 

血管肉腫が起こる原因

一般的に腫瘍が起こる原因は、遺伝的な影響や環境的な影響が関連するとも言われますが、はっきりとは解明されていません。家族に喫煙者がいると、同居しているワンちゃんやネコちゃんの腫瘍の発生率が上がるという報告もありますが、腫瘍の発生する原因は、一つではないようです。

 

血管肉腫を適切に治療するためのポイント

血管肉腫を適切に治療するためのポイントは以下の3点です。

 

①血管肉腫を正しく診断できるか

定期的な健康診断がとても重要になります。健康診断で超音波検査を行うことで、肝臓や脾臓にできる血管肉腫を早期に診断できる可能性があります。肝臓や脾臓に腫瘍の「かげ」が見られた場合には、CT検査をお勧めしています。血管肉腫を疑う場合には、CT検査を行い、肝臓や脾臓もしくはリンパ節やその他の臓器への転移などを診断します。その結果をもとに、手術の必要性を判断します。

すでに腹水が溜まっていたり、お腹に腫瘍を疑うものが見られた場合には、一刻を争う状態かもしれませんので診断を急ぐ必要があります。

 

②適切な治療への移行

血管肉腫を疑う所見が見られれば、手術や抗がん剤などの治療を早期に判断する必要があります。腫瘍が破裂しそうなほど大きかったり、すでに破裂した形跡がある場合には、早急に手術を行い腫瘍を摘出する必要があります。また、定期検診で比較的小さな腫瘍が見つかった場合でも、早めに摘出することが重要です。経過を見ることで、危険な場合に陥ることが少なくありません。必ず手術を実施できる施設での診断をお勧めします。

 

③診断から治療までを総合的に行う

血管肉腫で重要なことは、まずは的確な診断です。次に、手術の必要性・可否の判断、その後の抗がん剤の判断です。総合的な判断を行うためには、診断の段階でCT検査は必ず実施する方が良いでしょう。また、手術が実施できる施設でないと、手術の正しい判断ができない場合があり、抗がん剤を使用していない施設では、抗がん剤の正しい判断ができない場合があります。血管肉腫に治療には、総合的な診断・治療が求められるため、それらを総合的に判断・実施できることが重要です。

 

ダクタリ動物病院 京都医療センターでの血管肉腫治療について

血管肉腫の場合、動物の状態にもよりますが、当院では、CT検査を実施します。そして、必要性・緊急性を判断し、早期に手術を実施します。さらに必要に応じて、抗がん剤治療も実施します。すでに腫瘍が破裂して、お腹の中が血だらけで手術を行う場合もありますが、そのような段階での手術は、動物の命の危険性も高く、手術の難易度も上がります。そうならないためにも早期発見が重要です。当院では、健康診断や定期検診も重要と考えています。例えば、ワクチンに来られた際のお腹の触診で、脾臓の腫瘍が見つかる場合もあります。定期的な診察を受けるようにしましょう。